個人事業主からの「会社設立(法人成り)」や、会社設立後の本格的な「節税」に興味がある経営者向けの記事です。主に一人社長、または社員10人未満の中小企業の社長を想定して、実践的なノウハウを解説します。(当事務所のサポート内容については会社設立・節税に強い税理士法人アクションのトップページもあわせてご覧ください)

個人事業主から会社設立(法人成り)する最大のメリットの一つに、「法人のほうが圧倒的に節税の選択肢が多い」という点が挙げられます。ここでいう節税とは、全事業年度を通じた手元キャッシュフローの純増を指し、1事業年度だけの税金削減策である「課税の繰延」(例えば保険や倒産防止共済、短期前払費用の特例など)とは本質的に異なります。(真の節税と課税の繰延の違いを理解することは、会社経営において非常に重要です。詳しくは「保険で本当に節税できるのか」をご参照ください。)
大きな効果を生む節税策は、会社設立当初の初期段階から仕組みを作って実施することが重要です。また、税務署に指摘されない合法かつ適正な節税を行うためには、合理的な計算根拠や各種規程・書類を含めた入念な準備が欠かせません。本来であれば顧問税理士のアドバイスを基に実施したいところですが、「まだ毎月の顧問契約は不要」という方は、ぜひ税理士法人アクションのコンサルティングサービスにお問合せください。単発でのご相談も喜んでお受けいたします。
ここでは、会社設立後に導入することで特に節税効果が大きい6つの施策をご紹介いたします。
会社設立後の節税策①:経費を漏れなく計上する
出だしから「なんだ、そんな基本的なことか」と思われるかもしれませんが、事業にかかった経費を漏れなく計上することは、最も確実で重要な節税対策です。振込や法人クレジットカード利用の場合は、データを会計ソフトに自動連動できるため漏れが出にくいですが、現金での支出には要注意です。領収書・レシートは溜め込まず、1週間以内に現金出納帳へ入力する習慣をつけましょう。また、会議費や交際費など個人支出と見分けにくいものについては、誰と何の目的で支出したか事業との関連性が明確にわかるよう、レシートの裏などにメモを残しておくことが重要です。税務調査では一般的に過去3年〜5年間の帳簿をチェックされます。数年後に質問されても、自信を持って答えられる状態にしておきましょう。
会社設立後の節税策②:役員報酬の最適化
個人事業主から会社設立した際、「最初は売上が不安定だから」と設立初年度に役員報酬をゼロ(無報酬)にする方がいますが、これは非常にもったいないケースがあります。役員報酬(給与)は個人の「給与所得控除」の対象となり、税制上大きく優遇されているからです。仮に初年度の法人決算が赤字になったとしても、青色申告であれば最長10年間は「繰越欠損金」として翌年度以降の黒字(所得)から赤字分を差し引くことができるため、初年度の赤字が無駄になることはありません。会社設立初年度から計画的に役員報酬を設定しましょう。
役員報酬の適正額は、「法人税率」「個人の所得税・住民税率」「社会保険料率」の3つのバランスを総合的に判断して決定します。年間の事業利益の見通しを立て、手元に最もお金が残るパターンをシミュレーションすることが重要です。


会社設立後の節税策③:社宅制度の活用
個人で住宅ローン減税を受けている経営者以外は、「役員社宅」の導入を必ず検討しましょう。賃貸物件の場合、法人名義で契約して社宅として利用することで、家賃の約50%〜80%を会社経費にしながら、経営者個人としては非課税の経済的利益として受け取ることが可能です。例えば月15万円の物件の場合、年間最大144万円もの金額を法人の経費にでき、法人税・所得税・社会保険料を考慮すると年間数十万円単位の大きな節税効果が期待できます。詳細は「社宅を利用した節税」をご参照ください。
また、既に個人で物件を抵当権なしで保有している場合や、ローンなしで物件購入できる潤沢な資金がある場合も、建物を法人所有にする等の高度な節税スキームが活用できます。
会社設立後の節税策④:出張旅費規程の導入
遠方への出張(日帰りを含む)が多い経営者は、会社設立にあわせて「出張旅費規程」を作成し、出張日当(手当)を支給できる仕組みを整えましょう。日当は、支払う法人側では全額「経費(損金)」として計上できる一方で、受け取る個人側では所得税・住民税・社会保険料が一切かからない「完全非課税所得」となります。会社と個人の双方にメリットがある非常に強力な節税策です。詳細は「旅費規程を利用した節税」をご参照ください。
状況によっては、宿泊料や交通費の支給方法についても税務上の工夫ができる可能性があります。ただし、規程の作成や相場に合った金額設定など個別要素が強いため、税理士に相談の上で正しく導入することをおすすめいたします。
会社設立後の節税策⑤:役員賞与を活用した社会保険料の削減
社会保険料は、給与額に対して労使合計で約30%もかかり、月額報酬が高くなるほど法人・個人双方の資金繰りを圧迫します。一定額以上の高い年収を得ていることが前提となりますが、「事前確定届出給与(役員賞与)」の仕組みを上手く活用することで、この社会保険料の負担を合法的に大幅削減できる裏ワザ的な手法が存在します。詳細は「役員賞与を利用した社会保険削減策」をご参照ください。
会社設立後の節税策⑥:退職金(退職所得)の準備
役員退職金は、会社設立をした起業家が目指すべき最終ゴールの一つです。会社設立直後から行ってきた節税対策の集大成がここで決まると言っても過言ではありません。「退職所得」は他の所得と比べて税負担が極めて軽くなるよう、税制上で最強の優遇措置が取られています。法人の退職金制度だけでなく、「小規模企業共済」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」、「経営己れセーフティ共済(倒産防止共済)」などを組み合わせることで、退職所得控除の枠を最大限に有効活用できます。詳細は「複数の退職所得を利用した節税等」をご参照ください。
繰り返しになりますが、効果の高い節税は「会社設立時・初期段階での仕組み作り」が全てです。税理士法人アクションでは毎月の顧問契約だけでなく、現状の課題に合わせた単発のスポットコンサルティングも受け付けております。
会社設立のお悩みや、今の節税策が正しいか不安な方は、ぜひ会社設立・節税に特化した税理士法人アクションのトップページよりお気軽にお問い合わせください。





