この記事は節税対策を行いたい小規模企業経営者向けの記事となっています。

 生活費の中で住居費の占める割合は高く、特に賃貸マンションに住んでいる経営者にとって社宅制度は効果的な節税策と言えます。今回はそんな社宅制度について解説いたします。


社宅制度とは

社 宅制度とは、法人が契約者となって所有又は賃貸している物件を役員や従業員に貸し出す制度です。賃貸物件の場合、法人は賃借料の全額を経費計上でき、役員や従業員からは賃借料よりも低い金額の家賃を受け取ることになります。

社宅制度の節税効果

 法人が役員や従業員から受け取る家賃は、法人が支払っている賃借料のおおよそ20~50%ほどですみます。当然法人が役員や従業員から受け取る賃貸料は法人の収入となりますが、法人が支払っている賃借料と受け取る賃貸料との差額は、役員や従業員が実質的に非課税で享受できる経済的利益となります。

 仮に家賃15万円の物件を法人が契約し、役員に家賃3万円で貸し出すことができる場合、役員は実質的に年間144万円(=(15万円▲3万円)×12カ月)の非課税所得を受けたことと同じ効果があります。この分役員の報酬額を引き下げれば、社会保険料・所得税・住民税の削減効果があり、所得1000万円の場合、社会保険料の法人負担分を含めれば約105万円の削減効果となり、かなり大きな効果が見込めます。

※社会保険料率30%、所得税率33%、住民税率10%と仮定

家賃設定について

 計算の手間を省く場合には賃借料の50%以上の賃貸料で役員や従業員に社宅を提供することができます。ただ、ちゃんと手間をかけて計算すれば20~30%ほど(個人的な経験則です。)の賃貸料に設定することができるはずなので、計算しましょう。

 まず市役所の固定資産税課で名寄帳等により固定資産税の課税標準額を調べます。賃貸借契約書を持参すれば、基本的には入手できるはず。念のため役所へ行く前に電話確認しましょう。そして、課税標準額がわかれば下記の①②③の合計額が1か月分の賃貸料(最低額)となります。

※ここでは小規模な住宅(木造は132㎡以下、それ以外は床面積99㎡以下)を前提とします。

①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

②12円×(その建物の床面積/3.3)

③(その年度の土地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

今まで計算した感じでは、大体家賃の20~30%くらいの範囲に収まるイメージです。

ただし、正しい家賃徴収をしていない場合、役員の場合はその差額が個人の給与所得となる一方、法人側では事前確定給与に該当しない役員賞与として損金計上ができなくなってしまうため、注意が必要です。

契約上の注意

 法人が役員や従業員に社宅提供するためには、法人が所有しているか、賃貸物件であればまずは法人名義として契約し、それを従業員に貸し付ける必要があります。

 

 住宅ローンで自宅を購入している場合社宅活用は難しいですが、借入がなければ個人から法人へ売却して社宅活用するのも手ではあります。節税方法は色々なパターンがあるため、綿密なシミュレーションをした上で決める必要があります。最初の仕組みづくりのご相談もGiraffeでコンサルティング可能です。ご希望でしたらご連絡ください。