創業融資を申請する上で重要なのが創業計画書となります。
ここでは創業融資の審査担当者の目線から、創業融資計画書の書き方やポイントを解説いたします。

※創業融資・創業補助金の基礎知識は「創業融資・補助金・助成金について」をご参照ください。
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創業融資における創業計画書とは

創業計画書とは、開業の際にどのような事業をどのような方針で進めていくのかを説明するための資料となります。 創業融資の審査担当者は、開業当初の売上の確実性が低い=信用力が低い事業者について、創業計画書の内容を精査することにより、その事業者の事業及び返済計画の妥当性、つまりは貸したお金が返ってくるかを判断します。 そのため、創業計画書の内容は審査担当者を納得させることができるレベルに仕上げる必要があります。

公庫の創業計画書のフォーマットについて

日本政策金融公庫の創業融資で、事業者が求められる作成資料は創業計画書のみとなります。 A3一枚の用紙となっており、非常にボリュームが少ないです。そのため、審査担当者が注目する項目や申請者がアピールしたい部分については、別途資料を用意する方がベターです。

創業計画書フォーマットは「公庫HPのサービスのご案内⇒各種書式ダウンロード⇒国民生活事業」でダウンロードできます。記入例もあり、美容室では下記のようなものとなっています。

創業計画書の項目別の書き方について

「1.創業の動機」

「創業動機」では創業の本気度を熱意を持って記載し、審査担当者に共感してもらうことが大事です。 記入欄が4行と小さいので別紙を用意してもいいですが、4行にまとめてもいいと思います。

重要なポイントは下記内容を盛り込むこととなります。

  • しっかりと準備をしてきた創業であること
  • 創業により成し遂げたい社会貢献があること

重要!「2.経営者の略歴等」

「経営者の略歴等」では、これから開業する事業での経験・実績をアピールし、事業成功確率が高いことを伝える必要があります。

売上の実績がまだない創業時において、審査担当者は経営者のこれまでの実績を基に今後の売上見込等を予測するため、非常に重要な項目となります。 「創業計画書」フォーマットでは記入欄が小さいため、別紙提出書類を用意しましょう。

重要なポイントは下記内容をアピールすることになります。

  • その業界で十分な経験があること
  • その業界で独自の競争優位性を持っていること
  • 経営者として必要な知識があること

「3.取扱商品・サービス」と少しかぶってしまうかもしれませんが、上記内容は別紙にまとめたいところです。 「競争優位性」であれば、例えばぼくが税理士業で記載するとすれば、 「一般的に税理士業界では無資格者がお客様担当となる。しかし、無資格者は入れ替わりが早く担当変更が多くなり不満を持たれやすく、また経営者は経験が豊富な資格保有者の担当を希望している。そこで当事務所では100%税理士が顧客対応をすることを謳っている」などが記載できます。

「3.取扱商品・サービス」

ここではマーケティングの4Pの観点から、他社との違いを中心に説明書きします。 業種によっては言葉では説明しにくいため、写真などの添付資料も有効です。

重要なポイントは下記内容をアピールすることになります。

  • 自社商品・サービスの他社とは違うセールスポイント
  • なぜ顧客が上記商品・サービスを求めているのか
  • 創業時の具体的な販路拡大戦略(できるだけ数字を使う)

販路拡大戦略では、例えばGoogleの「〇〇×●●」という検索ワードで半年以内に上位10以内に表示されるように、▲▲というワード関連の記事を毎月30記事アップする(それによる対価もできれば記載)、など具体的に記載したいところです。

「4.取引先・取引関係等」

ターゲットとしている顧客先を分類ごとにできるだけ具体的に記載します。

重要なポイントは下記となります。

  • 顧客先をできるだけ具体的に分類分けする
  • 仕入が必要な業種の場合、つながりのある仕入先名を記載する

重要!「7.必要な資金と調達方法」

開業時に自己資金がいくらで、必要な資金がいくらなのかを記載します。

銀行において、借入用途とは別の用途で資金を使用することはNGとされています。 そのため、例えば設備資金であれば、各設備の見積書を取り、運転資金であっても固定支出であれば契約書等を用意し、必要な資金額の正当性をアピールしましょう。

重要なポイントは下記アピールと準備になります。

  • 見積書・契約書等、必要な資金額の証拠書類を用意する
  • 必要な資金の金額が過不足ない金額であること
  • 自己資金は必要な資金の30%をできれば用意する
  • 自己資金が通帳において継続的に貯めてきたお金であること

重要!「8.事業の見通し」

開業後の収支の見通しを記載します。審査担当者はここで経営者の数字力をチェックし、返済能力を測りますので非常に重要な項目です。別紙説明資料を作成しましょう。

審査担当者もプロですので、業種毎の原価率・人件費率等は把握していますので、利益調整のための誤魔化しは要注意です。できれば創業融資の支援を行っている税理士にチェックしてもらうべき項目となります。

重要なポイントは下記内容をアピールすることになります。

  • 売上の根拠は明確化
  • 支出項目の金額は適正か(特に売上との比率!)
  • 返済を加味して収支は適正か(経営者の生活に無理はないか)

売上の根拠について、例えば飲食店であれば、「単価×座席数×回転率×営業日数」の記載は必須となりますし、自社の競争優位と絡ませた単価や回転率の根拠の記載も欲しいところです。

最後に

創業計画書は何度も何度も書き直すことにより、自社の目指すべき方向・競争優位性が見えてくるものになります。 書き始めは大変ですが、見切り発車で事業を始めてつまづくよりははるかに良いはずです。

また、経営者一人でチェックしていると独りよがりな内容になりやすいため、できれば創業支援を専門としている税理士等の第三者の客観的なアドバイスを求めることをおすすめいたします。

関口達也税理士事務所も、起業・開業支援で実績のある事務所となっておりますので、サポートをご希望の起業家の方はお問合せ下さい。
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