毎月の経理業務を楽にしたい小規模法人(法人成りしたてを想定してます)の社長向けの記事となります。売り上げが順調に伸びていくと、それに比例して月々の経理業務は増えていきます。経理を採用することで社長の業務を減らしてもいいのですが、経理業務の単純化・Excel・マクロ・RPAにより効率化により経理業務に費やす時間を短縮するのも有効です。一度従業員を雇うと売り上げが悪くなったとしても簡単には解雇できませんので。

経理業務の単純化

支払い・請求

 請求書は紙ではなくデータでもらえるよう業者に交渉してみましょう。ファイリングの手間もなくなりますし、月に一度フォルダに保存されている請求書に基づいてネット振り込みをするだけで済みます。メールのタイトルを指定することができる場合、RPAによりメール受信後自動的に振り込み作業を完了させることもできます。もちろん心配な場合は振込確認画面までを自動化してもいいでしょう。

 お客様への請求書も紙ではなく、Excel入力した請求書をマクロでpdfへ自動変換し、メール添付するようにしましょう。印刷→封筒入れ→郵便ポスト、の作業は社長がやる業務ではありません。どうしても紙の請求書を発送する必要がある場合は、web郵便を利用しましょう。ネット手続きのみで、印刷→封筒入れ→郵便ポスト、の作業を外注することができます。1枚当たり、白黒で97円、カラーで143円となります。切手がない、などのストレスから解放されると思えば安いものかと。

※giraffeが実際に利用している請求書発行、売掛金管理、会計ソフトへの連動に優れたExcelフォーマットも近々紹介しようと思います。

 買掛金・未払金の管理Excelも売掛金管理Excelも会計ソフトへそのままインポートできる様式にすることをおすすめいたします。全ての業務が連動するように工夫すると業務量が激減します。

現金管理

 業種次第ではありますが、現金による売り上げ、仕入れ、消耗品購入は極力なくし、振り込みかクレジットカードを利用しましょう。現金の場合、記録がデータとして残らないからです。その前提のもとですが、現金管理はやはり現金出納帳で記録をつけるのが現状一番問題が起こりにくく、かつ運営しやすいと思われます。

 会計ソフトへの連動性を兼ね備えた現金出納帳Excelは「現金出納帳を会計ソフトへ取り込む」の記事を参照ください。

領収書整理

 領収書は現金出納帳等に入力後、月ごとに紙の封筒にまとめて入れておくだけでいいと思います。勘定科目ごとに分けてもいいですが、あまり意味がないと思います。

法人税等、特別徴収分の住民税、源泉税の納付

 国税(法人税・地方法人税・消費税・源泉所得税等)は前から電子納税が可能でしたが、地方税が電子納税できなかったため、特に決算時の納税については相変わらず紙の納付書を銀行に持ち込み納税するという、非効率な方法をせざるを得ませんでした。ところが、2019年10月からついに地方税共通納税システムがスタートし、地方税(法人市民税・法人都道府県民税・特別徴収の住民税)についても電子納税が可能となります。

 紙の納付書に税額等を記載・銀行に行って納税する、の作業がなくなるため、基本的には電子納税を行いましょう。クレジット納付の場合手数料が発生しますが、クレジットのポイント還元が0.9%以上であれば、ポイント還元分お得にもなります。

 源泉所得税の電子申告・クレジット納付方法については「源泉所得税納付の効率化」を参照ください。

給与明細

 小規模法人であれば、給与明細はExcelで作成することをお勧めしています。これについても、給与明細のpdf保存と印刷はマクロで自動化し、また給与情報をそのまま会計ソフトにインポートできる様式にすることが重要です。

 小規模法人に有効な給与明細Excelについては近日中に記事を書こうと思います。

  

 業務を個々に区切ってしまうと作業が重複する内容も、業務全体を考えることにより無駄な作業を省略することができます。別々の給与ソフト、請求書ソフト、会計ソフトを使用していると中々効率化がすすまないので、Giraffeとしては基本的には全てExcelによって自分で自分仕様を作るのが好きです。そして、小規模法人でその業務効率化ができるのは社長しかいません。なぜなら、従業員は大規模な効率化をしても別の業務が振られるだけであり、効率化による恩恵を受けることはないと考えているからです。小規模法人で効率化を実行できるのは社長しかいません。