不動産投資家向けの記事となります。
不動産投資家が危惧していたマンション・アパート投資の消費税還付を防ぐ税制改正大綱が発表されました。まだ本決定ではありませんが、居住用マンション・アパートの消費税還付は実質的に不可能となりそうです。平成28年度税制大綱ではまだ抜け穴がありましたが、今回はかなり厳しい内容となっています。
改正時期
改正大綱の内容が来年の国会を通ることが前提ですが、下記となります。
①2020年3月末日までに売買契約を締結している場合
従来通り。
②2020年4月以降に売買契約を締結している場合
2020年9月末日までに建物の引渡しが完了する場合は従来通り。2020年10月1日以後となる場合は居住用マンション・アパートについて消費税還付は行えなくなる。
建物の完成時期は変動する場合があるため、2020年に新築マンション等を検討されている方は3月末日までに売買契約を締結するほうがよさそうです。融資を考えると、もうほとんど時間が残されていない状況です。
具体的な内容
大綱発表前は課税売上割合を高めるための金の売買を課税売上に計上しない、などの改正案が噂されていましたが、居住用賃貸建物の課税仕入れをそもそも認めないことによる封じ込め策のようです。賃貸借契約書に「居住用」と記載しないことによる課税売上計上による抜け道を阻止するかのような書き方になっています。
もちろん、テナントや民泊用途であれば元々課税売上に該当する内容であるため、今後も消費税還付は可能ですが、3年以内に「居住用」に変更する際は(1)①ロに該当するため、要注意となります。
2020年の税制改正大綱は全体的に納税者に厳しい内容となっていました。今後消費税還付が見込めなくなる中、不動産市場、融資条件がどう動いていくか、慎重に見極める必要がありそうです。