不動産投資で頭を悩ませる問題の一つが金融機関との取引関係です。ここではキャッシュフローに直結する金利条件の交渉についてご紹介いたします。1億円の借入の場合、金利が1%下がるだけで年間キャッシュフローが100万円増加します。特に借入残額が多い方は適切に金融機関と交渉をしましょう。

金利交渉をしたほうがいい方

個人的には、金利が3%以上あると、金融機関のために不動産投資をしている気分になってしまいます。もちろん、積算評価額が低いが一方で高利回りの物件については、多少高い金利であっても購入したほうがいいと私は考えています。 しかし、金利が高ければ高いほど、投資リスクは高くなってしまうため、下記の投資家は金利交渉を検討してみてもいいと思われます。

  • 物件購入時に自己資金をある程度いれていて担保が余っている方
  • 同程度の築年数・構造の物件を所有する大家よりも金利が高い方
  • 余剰資金があり借入残額を減らしてもいい方

金利交渉のタイミング

金利交渉のタイミングは返済実績が1年以上できていれば、いつでもいいと思われます。強いて言うならば、下記タイミングで交渉される方が多いイメージです。

  • 決算書(特に決算書が黒字になった)を提出するタイミング
  • 現預金が増え、借入額を減額してもよくなったタイミング
  • 物件規模が増えたタイミング
  • 他行でよりいい条件で借りられることが判明したタイミング

金利交渉をする前の準備

見栄えのいい決算書作成

金融機関は決算書の数字により概ね90%その会社を信用格付けします。金融庁の方針であるため銀行は逆らえません。そして、その信用格付は決算書の勘定科目の配置をずらすだけで、ある程度よくすることができます。預り敷金や役員借入金を流動負債に入れているような決算書を作成されている場合、不動産税務に詳しい税理士に変更したほうが無難です。信用格付を高くすることにご興味のある方は、「銀行評価について」をご参照ください。

他行の金利情報を把握する

大家仲間から銀行の担当者を紹介してもらい、どれくらいの金利で不動産投資の貸付をしているかを聞きましょう。大家仲間がいない場合は、不動産投資家向けのセミナー・懇親会への参加をお勧めいたします。

このタイミングでは、借換を前提に話をしないほうが一般的です。現在の借入先が融資条件を見直してくれれば借換はしないため、せっかく知り合った担当者と疎遠になってしまうからです。

担保の余力を作れないか検討

市場価格よりも格安で購入している場合を除き、フルローンに近い条件で借り入れをしていると、その物件の担保余力がないため金融機関としては融資条件を厳しくせざるを得ません。

返済が進み借入残高が少ない状態であれば問題ありませんが、借入残高が多いうちは現預金をいれて借入残高を少なくすることも検討してみましょう。

繰上返済時の違約金について調べる

固定金利の場合、金利の固定期間中に繰り上げ返済をすると期間中の金利を全額負担する必要があるような契約となっているケースがあります。また、変動金利であっても、借入残高の一定割合を解約違約金として支払う必要があるケースがあります。金銭貸借契約書に記載があるはずなので、必ず確認し、金利交渉に失敗した場合に借換をしたほうが得なのかを事前に検討する必要があります。

金利交渉方法

金利を下げたい場合、基本的には既存の借入先でまずは交渉するべきとなります。理由は下記となります。

  • 借換にはコストが発生するため
  • 借換をするとその銀行とは今後取引が難しくなるため

また、借入先への交渉も、こちらから能動的に借換先を探しているというニュアンスは避けたほうが無難です。「大家仲間に紹介された金融機関の担当者から、現状よりもいい融資条件で提案を頂いています。私としては付き合いのある御行と継続取引をしたいのですが、融資条件を見直して頂くことはできないでしょうか。」といったニュアンスがいいと思われます。

借入先から進んで提案してもらうためには、まず「一括返済する時の繰上返済手数料と残高を教えてもらえないでしょうか」と聞くのも一つの手です。借入先の担当者は、恐らく理由を聞くと思うので、他行から提案を受けている融資条件の話をすれば借入先から提案を受けることができるかもしれません。