税理士の不動産投資:1棟目の収支状況について

これから不動産投資を始めようとする方や既に物件を保有しているが他の大家の収支状況に興味のある方向けの記事となります。関口が2012年春に購入した最初の物件の2020年10月までの収支状況を共有させて頂きます。反省点も多数ある取引なので、ツッコミなしでご覧ください。暖かいアドバイスを頂ける方は、税務相談関係なくて構わないので、問い合わせフォームよりお願いします。

購入時の条件

1棟目の物件は軽鉄骨の築24年の建物に土地は借地権の物件です。銀行融資がつきにくかったためか、埼玉県(北部ですが)で駅徒歩10分ほどの物件を表面利回りが20%になるまで値下げしてくれて販売してくれました。購入時は満室でした。

初期費用の合計額は14,712,845円となります。25歳にしては思い切った投資でした。内訳は下記となります。

初期費用内訳
物件金額 14,000,000円
固定資産税清算金 13,323円
借地権清算金 49,710円
登記費用(報酬含む) 171,812円
仲介手数料 400,000円
不動産取得税 78,000円

借地権のため、不動産取得税が驚異的な安さです。今考えれば登記費用が高いです。ほぼ現金購入ですが、少し融資を付けたので銀行紹介の司法書士で登記せざるを得ませんでした。

今までの収支状況について

2012年春に購入したのですが、2012年分のレントロールがすぐに見つかりませんでした。なので、2013年以降の収支状況を下記のように計算しています。ちなみに減価償却費は割愛させて頂きます。利息も少額なので割愛します(既に完済してます)。

上記8年間の収支をまとめると下記になります。

8年間の入居率 88%
投資回収額 14,056,252円
家賃の下落率(8年間) 4.5%(=(222,000▲212,000)/222,000)

2015年に外壁・屋根の大規模修繕をしています。その影響もあり、購入時で築24年にしては入居率88%と、まずまずの成績にもかかわらず、8年間(7年10か月)の損益ではまだ初期投資額(=14,712,845円)を回収していないことが分かります。(2012年の8か月分の家賃を含めれば間違いなくプラスですが。)

収支状況を見た上での考察

プラスの内容

  • 初期投資額を既に回収できていること(2012年含めれば)
  • 築古物件なので家賃下落率が圧倒的に低いこと
  • 当初危惧していたほど空室がでなかったこと

マイナスの内容

  • 2015年の大規模修繕費用が高すぎること
  • 思ったよりも初期投資額の回収に時間がかかったこと
  • 借地権なので規模拡大するための融資付けには不向きだったこと

大規模修繕費用は正直割高となってしまいました。ちょうど忙しい時期に修繕が必要となってしまったため、適切な相見積ができませんでした。まあ、真っ黄色だった外観がそこそこオシャレな物件に生まれ変わったため、よしとしようと思います。

また、借地権の物件に多額の現預金を投資したため、2棟目以降の物件購入が大変になりました。借地権だと抵当権を設定して貸してくれる銀行が限られてしまいますので。その分利回りがいいので、利回りを取るか規模拡大を取るか、判断が分かれるところとなります。

また、当時は会計も税務もあまり詳しくなく、建物と土地の取得価額の配分を減価償却に大分不利な方法でおこなってしまいました。まあこれはこれで売却する際に譲渡所得が発生しにくいのでいいのですが、、、

今後の方針

2020年10月時点で築34年となりますが、今年になってからは満室稼働が続いています。今のタイミングで表面利回り16%程度(約1500万円)で売りに出してもいいのですが、立地がいいのでそのまま運用しようと考えています。2~3000万円かけて立て直すよりは、リフォームしながら事業を継続しようと思います。