日本政策金融公庫と保証協会での創業融資の比較~札幌の税理士~

日本政策金融公庫と保証協会による創業融資の比較をします。

これから起業する方にあらかじめ申し上げると、審査のハードルは保証協会のほうが低く、融資が下りるまでの時間は公庫のほうが早く、実質負担は公庫のほうが少なくなることが多い(保証協会の場合、保証料が発生します)です。一長一短なので、下記詳細を参照にしつつ、ご自身にあった融資を選択してください。

見ても結局わからない方は、信用力に自信のある方は公庫で、自信のない方は公庫と保証協会の両方で申し込むケースが多いというイメージを持っておいてください。

なお、利率・保証料は各自治体で創業支援等事業計画の支援を受けると低くなるので、時間のある方は利用してください。

公庫と保証協会の比較

日本政策金融公庫による創業融資 信用保証協会による創業融資
自己資金 創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金
※実際には10分の2ほど求められることがほとんどです
自己資金についての定めなし
借りやすさ 自己資金とその入手経緯、代表の経歴、創業計画書により判断。
こつこつ貯金をしていない、未経験の業界の場合は審査が厳しい。
一般的に保証協会よりも審査が厳しい。
自己資金とその入手経緯、代表の経歴、創業計画書により判断。
公庫で審査が落ちたが保証協会では通ったという起業家も多数。
一般的に公庫よりも審査が若干緩い。
※特に自治体窓口で創業支援等事業計画の支援を受けると審査に通りやすくなる。
借入スピード 申し込みから1か月程度 申し込みから1か月程度
※自治体窓口の場合、2か月程度
融資上限額 3,000万円
(運転資金は1,500万円)
3,500万円
※自己資金に2,000万円を加算した範囲内
返済期間 20年以内
※運転資金は7年以内
10年以内
※運転資金は7年以内
利率 年利2%ほど
※創業支援等事業計画の支援を受け場合の引き下げ有り
年利2%ほど
保証料 不要 年利2%ほどの保証料を借入時に一括支払い
返済据え置き 2年以内 1年以内
担保・保証人 不要 原則不要
※法人については代表が連帯保証人

創業支援等事業計画の支援とは

各自治体で創業支援を目的に主に中小企業診断士が創業計画書の作成をアドバイスしてくれます。
札幌市では「さっぽろ創業支援プラザ」や「札幌商工会議所」でサービスを受けられます。ご検討される方はまず電話相談されることをおすすめします。

創業支援等事業計画の支援を受けるメリット

下記メリットがあります。起業までに2か月程度の時間があれば受けるほうがいいと思います。

  • 中小企業診断士のアドバイスが受けられる
  • 会社設立時の登録免許税が安くなる
    (例.資本金1000万円未満の株式会社の場合、登録免許税が15万円から7.5万円へ減額)
  • 公庫の貸付利率の引き下げの特例がある
  • 保証協会の創業融資の保証料・貸付利率の引き下げの特例がある
  • 創業融資の審査が通りやすくなる
  • 小規模事業者持続化補助金の補助上限額が50万円から100万円になる

創業支援等事業計画の支援を受けるデメリット

基本的には時間的なデメリットのみです。

  • 1か月以上の時間をかけて月4回面談する必要がある
  • 融資受けるまでに2か月かかってしまう
  • 相談する中小企業診断士・相談員を選べない

融資実行までの流れ

公庫の融資実行までの流れ

下記流れとなります。

  1. 公庫フォーマットの「創業計画書」を作成

  2. 公庫HPからインターネット申込
    ※会社の謄本・創業計画書・(設備投資の場合)見積書が必要となります。

  3. 担当者と面談

  4. 融資実行

ご覧頂ければ分かりますが、計画書のボリュームは公庫の方が制度融資よりもかなり少なくなっています。また、融資実行までの時間も公庫が大体1か月程度なので制度融資よりも早いイメージです。

制度融資実行までの流れ

下記流れとなります。

  1. 札幌中小企業支援センターHPの「創業計画書」を作成

  2. 任意の金融機関窓口で申し込む
    ※創業支店当事業による支援を受ける旨を伝える

  3. 担当者と面談&相談員と複数回面談

  4. 融資実行

制度融資の場合、「創業計画書」のボリュームが多いため、作成のハードルが高くなっています。作成に自信のない方はお問合せ下さい。