こんにちは、税理士たつやです。
今回は、創業融資の借入利率を下げるための方法、創業融資をどうすれば有利な条件で借りられるのか、というお話をしていきます。
結論から言えば、創業融資をどうにかして特別利率で受け、その上で特定創業支援等事業の証明書を活用する、というのが創業融資を最も有利に受ける方法になります。それでは、詳細を見ていきましょう。
そもそも創業融資の基準利率って何?
創業融資の基準利率について、 こちらは公庫ホームページ記載の新創業融資制度の利率です。
公庫の金利を確認しようとすると、基準利率という文字がでてくるのですが、 初めて見る方は、基準利率ってなんだよ、となるはずです。 公庫において、基準利率とはその融資制度の中で一番高い利率のことです。 通常はこの基準利率が適用されるのですが、一定の要件を満たすと基準利率よりも優遇された特別利率が適用されます。 この特別利率については後ほどご説明します。
まずは新創業融資制度の基準利率ですが、2.32%~3.20%と0.88%の幅があります。 この基準利率の中でどの利率になるかは、借入期間や保証人をつけるか等で決まります。 当然、期間が短く保証人をつけるほうが金利は優遇されます。 銀行としてはとりっぱぐれる可能性が低くなるので、当然ですね。 ですので、借入期間を長く設定し、保証人をつけない、という借り方の場合は金利が高くなります。
創業融資の利率を下げる手段=特別利率について
創業有利の利率を下げる手段=特別利率について。 創業融資において、一定の要件を満たせば基準利率よりも優遇された特別利率で融資が受けられるという話をしました。
特別利率となる要件の種類は、こちらのように、けっこう色々あります。
ただ、この中で受けやすいのは5番と6番の要件になるのではないかなと思います。
5番の「女性、若者、シニア起業家支援資金」を使える方はこちらの方となっています。
女性、若者、シニア層の起業を支援することを目的としているため、女性又は年齢が35歳未満又は55歳以上となっています。 該当すれば特別利率Aとなるので、利率は基準利率よりも0.4%優遇されることになります。
6番の「中小企業経営力強化資金」を使える方はこちらの方となっています。
この「中小企業の会計に関する基本要領」とは中小企業のための会計ルールのことです。
法人であれば顧問税理士に決算書作成を依頼するケースがほとんどだと思いますが、
税理士に依頼していれば、この基本要領は満たしているケースがほとんどのはずです。
続いて「認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方」について、
こちらは創業融資の申請時に認定支援機関の署名等をもらえることが必要となります。
認定支援機関の署名、というと大変そうに聞こえそうですが、
これも多くの税理士は認定支援機関に登録しているので、ある程度意識が高い税理士であれば、認定支援機関の署名もすぐもらえるはずです。
この要件を満たせば、基準利率ではなく特別利率Aとなるので、先ほどの女性・若者の時と同様、基準利率よりも0.4%優遇されます。
利率を更に下げられる!?特定創業支援等事業の認定の効果とは
特定創業支援等事業の認定書があれば、創業融資の利率を低くすることができます。 過去何度もご紹介していますが、特定創業支援等事業とは、市区町村等が創業希望者に行っている支援のことです。
例えば札幌市の札幌創業支援プラザであれば、4回の面談を受けることにより認定書を取得することができます。
この認定書さえあれば、なんと、公庫の創業融資における利率を0.65%下げることができます。
※支援内容の詳細については「札幌市創業支援等事業の案内」を参照ください。
すごいのが、基準利率の場合のみ0.65%下げるというわけではなく、 例えばすでに特利Aに該当している方であれば、特利Aからさらに0.65%引き下げられるというところです。 特利Aは0.4%の優遇なので、そこから0.65%、合計1.05%の利率を下げる効果があります。 こんな簡単に金利を1%下げることなんて通常ではありえないので、特定創業支援等事業の認定書は、皆さん是非取得してください。
特定創業支援等事業の認定書は、他にも法人設立費用の補助を受けられたり、持続化補助金の補助上限額が4倍になったりするなど、特典が多いので、本当におすすめです。 この辺の内容は、「今起業するなら会社設立にしておけ!」も是非ご覧ください。
結局どうすれば創業融資は一番有利なの?
結局どうすれば創業融資は一番有利なのか、について。 結論から言えば、何らかの特別利率を取得して、特定創業支援等事業の認定書によってさらに金利を下げる、それが一番有利な創業融資の借り方です。
まず特別利率について。 既にご説明した通り、特別利率は種類が多く、どれが適用できるかは言ってしまえばケースバイケースになります。 ただ、普通の業種の事業主であれば、特別利率Aを目指すのが現実的です。
であれば、女性の方や年齢が35歳未満又は55歳以上の方は、自動的にこちらの5番の「女性、若者、シニア起業家支援資金」で特別利率Aが適用されるので特にすることはありません。 5番に該当しない方、そのような方は積極的に6番の「中小企業経営力強化資金」の適用をとることになります。 具体的に言えば、認定支援機関のサポートを受け、公庫の創業融資に申し込む、それだけです。 ぼくもそうですが、認定支援機関は多くの税理士が登録しているので、税理士と顧問契約をしている方は特に追加料金を払わないでも特別利率Aが取れるはずです。
そして、特別利率を取れれば、あとは特定創業支援等事業の認定書の出番です。 特利Aで金利0.4%下げた上で、特定創業支援等事業の認定書でさらに金利を0.65%下げることができます。 特別利率と特定創業支援等事業の認定書、是非、皆さん活用してください。
結局プロのサポートは必要なの?
創業融資でプロのサポートが必要かどうかについて 中々難しい内容ですが、ぼく個人の結論としては、わざわざ創業融資だけのためにお金を払う必要はないですが、サポートは受けた方がいい、です。
特に、そのままでは特別利率に該当しない方であれば、認定支援機関のサポートを受けた方が金利優遇を受けられるので、サポートは受けた方がいいのではないかなと思います。 ただ、そのためにわざわざお金を支払う必要があるのかと聞かれれば、そこまでしなくてもいいんじゃないかなというふうに思います。 ではどのようにサポートを受ければいいかといえば、創業・起業に強い税理士と顧問契約を結び、サービスとしてサポートを受けるのがいいと思います。 創業・起業に強い税理士は、関連キーワードで上位検索できるはずなので、探し方は難しくないはずです。 法人の場合、自分で申告はかなりハードルが高いので、ほとんどの方が税理士と顧問契約を結びます。 その顧問税理士を有効活用するだけでいいかなと思います。
本日のまとめ
本日のまとめです。
創業融資の基準利率とは、公庫のその融資制度の中で一番高い金利でした 基準利率よりも下げるためには、各種特別利率に該当する必要があるというお話をしました。
簡単に取得できる特別利率としては、①女性、若者、シニア起業家支援資金、や、②中小企業経営力強化資金、がありましたね。 また、特定創業支援等事業の認定書があれば、利率がさらに0.65%下がるというお話もしました。 ですので、創業融資を最も有利な利率にするために、特別利率を勝ち取り、かつ特定創業支援等事業の認定書を使いましょう、というお話をしました。
今後も税務調査や節税、効率化・補助金活用など、ビジネスに役立つ情報を発信していきます それではまたお会いしましょう。