札幌で創業融資に失敗した理由3選とその対策

こんにちは、札幌の税理士たつやです。
札幌でこれから起業を考えている方の中には、「創業融資を受けたいけど、審査に通るか不安…」「知り合いが融資に落ちたと聞いて怖くなった」という方も多いのではないでしょうか。
実際、創業融資の審査は決して簡単ではありません。特に初めて起業する方にとっては、失敗の原因がわからないまま次のチャンスを逃してしまうケースもあります。

この記事では、札幌で創業融資に失敗しやすい3つの理由と、その具体的な対策を、実際の相談事例を踏まえてわかりやすく解説します。
同じ失敗を繰り返さないために、この記事を参考にしながら準備を進めていきましょう。


1. 失敗理由① 自己資金が不足していた

最も多い創業融資の失敗理由が自己資金の不足です。
「事業計画が良ければ融資は通る」と思っている方もいますが、実際にはどれだけ自分で資金を用意できているかが大きな判断材料になります。

札幌市内でよくあるケースとして、
・開業資金総額が500万円なのに、自己資金が30万円しかない
・親族からの借入を「自己資金」として申告している
などの場合、金融機関から「リスクが高い」と判断されやすくなります。

もちろん、自己資金が6%であっても圧倒的な実績をお持ちの方であれば創業融資は通ります。
ここで言う圧倒的な実績とは、例えば起業する分野で既に100万人以上のフォロワーを持っているインフルエンサーだったり、などです。
ただ、普通の方は、そんな実績ありませんよね?

■ 対策:目安は開業資金の2~3割を自己資金で用意する

日本政策金融公庫や札幌市の制度融資では、開業資金の20~30%程度を自己資金で準備していると、審査がスムーズに進みやすくなります。
たとえば500万円の開業資金を予定しているなら、最低でも100万円程度の自己資金が理想です。10%で通っている方もいますが、無難なのはやはり20%以上です。

自己資金は必ずしも貯金だけでなく、次のようなものも含まれます。

  • 長期間にわたる貯蓄の実績
  • 親族からの贈与(返済義務がない場合)
  • 退職金の一部

金融機関は「計画性」を重視します。
通帳に「コツコツ貯めてきた履歴」があるだけでも信頼度は上がります。
一方で、開業直前に大金を入金しただけの通帳は、審査でマイナス印象になりがちです。


2. 失敗理由② 事業計画書の内容が浅かった

次に多いのが事業計画書の作り込み不足です。
札幌の金融機関担当者からも、「書類の完成度が低い」「数字の根拠が曖昧」といった理由で融資を見送るケースが多いと言われています。

特に初心者がやりがちなミスは次の3つです。

  • 起業する分野での経歴や実績が弱い
  •  
  • 事業に特色がない
  • 売上予測が根拠なく高すぎる
  • 経費や原価の見積もりが甘い

■ 対策:札幌の地域特性を踏まえた計画を立てる

札幌の事業環境には、他の都市とは異なる特徴があります。
たとえば冬季の来客数減少、観光シーズンの売上変動、地域別の商圏特性(中央区・白石区・手稲区など)などです。

このような地域データを踏まえて事業計画を立てると、担当者の信頼を得やすくなります。
例として、カフェ開業の場合は以下のような分析を行うとよいでしょう。

  • 札幌駅~大通周辺の人流データ
  • 競合店の価格帯と客層
  • 冬季の来店客数変動を見込んだ売上シミュレーション

数字の裏付けとして「根拠データ」を添付できるとベストです。
たとえば、札幌商工会議所や北海道経済産業局の統計資料を引用するのも効果的です。

ただ、そうは言っても人が人を評価するのに必要なのはやはり実績です。
起業する分野での経験やライバルと差別化になる実績をいかに文字化できるか、が非常に重要になってきます。

■ さらに効果的な方法:専門家に事業計画をチェックしてもらう

自分では完璧と思っていても、金融機関の視点では「説得力が弱い」と判断されることがあります。
税理士や創業支援コンサルタントにチェックを依頼することで、採点者の視点で計画を補強できるのです。

特に札幌では、札幌商工会議所・北海道よろず支援拠点・中小企業基盤整備機構などで無料相談を受けることも可能です。
創業融資に強い税理士に依頼すれば、面談対策や数字の根拠づけまで一貫してサポートしてもらえます。


3. 失敗理由③ 面談での準備不足・伝え方の問題

意外と多いのが、面談での受け答えが原因で落ちるケースです。
金融機関や日本政策金融公庫の担当者は、書類だけでなく「人柄・熱意・理解度」を重視します。
どんなに事業計画が立派でも、面談で信頼を得られなければ融資は難しくなります。

札幌で実際にあった失敗例を挙げると、

  • 質問にすぐ答えられず、数字を把握していなかった
  • 「なんとかなると思います」と曖昧な回答をした
  • 事業の目的や強みを明確に説明できなかった

これらは担当者に「経営感覚がまだ弱い」「計画が甘い」と見られる典型的なサインです。

■ 対策:質問を想定して“練習”しておく

面談前には、必ず想定質問を準備しておきましょう。
たとえば、次のような質問はよく聞かれます。

  • なぜこの事業を始めようと思ったのか?
  • 競合と比べてどんな強みがあるのか?
  • 1年間の売上見込みと根拠は?
  • 運転資金は何か月分確保しているか?

このような質問に対して、「数字+理由+感情」で答える練習をしておくと安心です。
たとえば、

「このカフェは、札幌駅から徒歩5分という立地を活かして、観光客だけでなく地元の会社員層にもリピートしてもらえる設計にしています。
平日はテイクアウト中心、週末はスイーツ提供で客単価を上げる戦略です。」

このように具体性と熱意を伝えることで、担当者は「この人は計画性がある」と感じやすくなります。


創業融資に落ちても、再チャレンジは可能

一度融資に落ちたとしても、完全に終わりではありません。
むしろ、失敗理由を明確にして再申請すれば、通る可能性は十分にあります。

札幌では、融資機関や保証協会の担当者も「改善の余地がある場合は再挑戦を歓迎する」傾向があります。
そのため、落ちた原因をしっかり分析し、次のように立て直しましょう。

  • 自己資金を半年かけて積み増す
  • 事業計画を具体化し、根拠データを強化する
  • 税理士と面談練習を行い、自信を持って説明できるようにする

このような改善を行えば、2回目の審査でスムーズに通るケースも少なくありません。


まとめ:札幌で創業融資を成功させるためのポイント

この記事では、札幌で創業融資に失敗する主な理由とその対策を紹介しました。
最後に、成功するための3つのポイントを振り返ります。

  1. 自己資金をしっかり用意し、通帳で「貯めてきた履歴」を示す
  2. 札幌の地域特性を踏まえた事業計画書を作成する
  3. 面談対策を行い、自信を持って自分の事業を説明できるようにする

札幌での創業融資は、決して「難しいもの」ではありません。
正しい準備とサポートを受ければ、初心者でも十分に実現できます。

関口達也税理士事務所では、札幌での創業融資サポート・法人設立支援・事業計画書作成を専門的に行っています。
これから起業を考えている方、融資に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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