札幌の税理士×不動産投資家=関口の投資手法について

札幌の税理士×不動産投資家=関口の投資内容について記載します。 税理士という仕事柄、投資(特に税金上優遇されているもの)について質問を受けることが多いです。 かなりグレーな税務処理をするものや税制上優遇されていないものの高利回り・高配当を謳うものの提案営業を受けることもありますが、 関口個人ではそういうものに手を出しておらず、2021年現在では基本的に不動産・税理士業で得たキャッシュをインデックス(全世界株式とS&P500)ファンドに入れるというごくシンプルな投資方法です。 本業(=税理士業)があるため、極力投資に時間を使わなくてもいいようなシンプルさが気に入っています。 シンプルな投資方法であっても、iDeCoやジュニアNISAなどの優遇措置は取っていますので、何か一つでも参考になればと思います。

不動産投資

2021年12月現在、4棟のアパートを経営しています。関口が感じている不動産投資のメリットは下記となります。

  • ストック収入なのでキャッシュフローのシミュレーションが容易

    物件金額は景気によりある程度変動しますが、家賃収入はあまり景気の影響をうけません。 賃貸借契約により一度決めた家賃が変更されることはほぼ発生せず、またアパートやマンションであれば全室一斉退去になる可能性も低く、年間を通した入居率の予測と年間家賃収入の予測ははある程度可能です。 また、大規模修繕の時期などもある程度予測がたつため、支出の予測もある程度可能です。 結果として、5年以上の中・長期のキャッシュフローの予測は他の事業よりも容易です。

  • レバレッジ効果により少ない自己資金で大きなリターンを得られる

    不動産投資はキャッシュフローのシミュレーションが容易で、かつ不動産に担保価値があるため、融資を受けることができます。 担保価値に対し購入価格が低ければ、少ない自己資金で大きなリターン(家賃収入+売却金額)を得ることが可能です。 実際、フルローンが可能だったり、自己資金1~2割ほどで物件取得も可能です。 もし不動産投資に融資が使えなかったら、個人的には不動産投資などしておらず、最初から全て株式投資に回しています。

  • 生命保険代わりになる

    団体信用生命保険の仕組みにより、死亡や重度の障害を負った際に借入金の返済が不要となります。よって、生命保険に入らなくてもいいと考えており、実際入っていません。

  • 時間が取られない

    不動産管理会社が入居者・修繕会社・清掃会社の窓口対応をしてくれるため、入金確認と退去時の修繕・広告判断以外は特に時間はとられません。本業がある方でも問題ありません。

現状、不動産から得たキャッシュはインデックスファンドに入れています。 本当はもっと物件を増やしたいのですが、キーエンスを退職以降「無職⇒転職⇒独立」と金融機関の評価があまり高くなく、かつ物件価格高騰(特に札幌)により自分の中の基準を満たす物件が見当たらず追加購入ができていません。 もうすぐ独立3年目になるため、金融機関評価はある程度見込めるようになるのですが、札幌の(家賃収入・広告宣伝費に対する)物件価格はもう少し低くならないのでしょうか。

株式投資

税理士業も不動産投資もストック収入であるため、月々で収入の変動がそこまで大きくなりません。そのため、現預金は月の支出額の3~6か月分(+大規模修繕の積立)ほどあればよく、余剰資金は全て株式投資に回してもいいと考えています。 そして、株式投資の運用もできるだけシンプルかつ税制上優遇されるようにやっているつもりです。 以下で関口が実際に行っている株式投資方法をご紹介します。
※ご存じの通り、株式の売却益は分離課税(20.315%)となっており、累進課税の所得税や800万円以上の所得に対して33%以上の税率となる法人税等に比べて税制上優遇されています。

主にインデックスファンドを選んでいる理由

株式投資と言っても個別株はあまり持たず、2/3以上をインデックスファンドへ投資しています。 下記の本などを読み、投資に時間・エネルギーを奪われたくない自分に合っていると思い、インデックスファンドへ注力するようになりました。

  • 「バビロン 大富豪の教え」
  • 「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」
  • 「教養としての投資」
  • 「お金が増える米国株 超楽ちん投資術」
  • 「教養としての投資」
  • 「山本元のやってはいけない資産運用」
  • 「ETFはこの7本を買いなさい」
  • 「インデックス投資は勝者のゲーム」

自分が判断を悩む内容は過去に誰かが経験している内容であり、大抵は本屋に行けば解決できます。そして、本を読んだ結果、下記のような理由から全世界株式とS&P500への投資を選択しました。

  • ウォーレンバフェットであってもここ15年間においてはS&P500に勝つのが難しかった
  • 本業に時間を取られるため個別株の適切なタイミングでの売買ができない(そもそもタイミングをつかむ力もない)
  • 保有株式が下落するとテンションが下がるので浮き沈みの激しい投資は嫌
  • 8割のアクティブファンドはインデックスファンドに負けている
  • アクティブファンドは手数料が高い上に最近の傾向としてインデックスファンドの動きに合わせているものが多い
  • やはり世界で強いのはアメリカ株で、その中でもS&P500は入れ替わりが激しい中でも残っている精鋭
  • 途上国へも分散投資するなら全世界株式(半分はアメリカで組成されていますが)

現状、日本の個別株の取引(30%程度動きあるまでは静観)もやっていますが、どうしても株価の動きに一喜一憂してしまい、結局のところ時間の無駄のように感じています。個別株の割合はどんどん減らしていくつもりです。

iDeCoの活用

iDeCoで毎月23,000円の掛金を全世界株式へ積み立ています。 iDeCoで拠出した金額は所得控除を受けることができるため、所得税・住民税の節税になります。 また、60歳になるまで掛金を現金化することはできませんが、それまで自分で選んだインデックスファンドなどで運用することができます。 さらに、現金化するときは税制上大きく優遇されている退職所得扱いになるため、普通に全世界株式やS&P500に投資するよりもお得です。詳細は「サラリーマンが可能な節税策=iDeCo」をご参照ください。

ちなみに少し似ている制度である小規模企業共済を関口はやっていません。掛金が7万円と高額であり、かつ所得控除ができる(+退職所得扱い)のはいいのですが、積立額が大きく増えることがない(インフレに負ける可能性が高い)のがその理由です。 ただ、好みの問題もあるため、内容を理解した上で小規模企業共済をやっている方はそれでいいと思いますし、お客様にも制度の案内はしています。

子供名義のジュニアNISA

関口も子供名義でジュニアNISAを開始しました。ジュニアNISAのメリットは特徴は下記となります。

  • 最長5年間株式投資の売却益が非課税となる
  • 対象者は0歳~19歳
  • 非課税投資枠は年80万円

投資対象は当然、全世界株式とS&P500にしています。残念ながらジュニアNISAは2023年で終了しますが、何かしらの方法で2021年12月時点で1歳の娘が22歳になるまで毎年積み立てる予定です。 例えば毎月5万円を年利5%で21年間運用すれば、元本1260万円と運用収益961万円になります。大学卒業時にある程度まとまったお金があることにより、娘の人生の選択肢が増えてくれればうれしいです。
※積立による資産運用シミュレーションは「金融庁の資産運用シミュレーション」が便利です。

NISAの活用

日本株の個別投資で一般NISAも活用しています。2019年から始めたのですが、今考えてみればつみたてNISAでS&P500に投資しておけばよかったと思います。一般NISAの特徴は下記となります。

  • 最長5年間株式投資の売却益が非課税となる
  • 非課税投資枠は年120万円

それに対し、つみたてNISAの特徴は下記となります。

  • 最長20年間株式投資の売却益が非課税となる
  • 非課税投資枠は年40万円

なるべく売買をせずに株価を気にせずにすごしたいので、個人的にはつみたてNISAの方が合っていました。なので、つみたてNISAへ変更中です。