新型コロナウイルスの影響により売上が減少しキャッシュフローが回らない事業主のために税制上の措置が発表されています。最大200万円が支給される持続化給付金や公庫による新型コロナウイルス特別貸付(3年間年利0.46%)と比較してキャッシュフロー改善へのインパクトが小さく感じられるかもしれませんが、利用できるものはなんでも利用しましょう。
この記事は小規模事業者・小規模法人向けなので、現段階で抑えて頂きたい税制上の措置は、①固定資産税の軽減、②納税の猶予、の2つとなります。
固定資産税・都市計画税の軽減
事業者が毎年1月1日時点で所有している固定資産(基本的に10万円以上の資産)については、建物だけではなく全ての固定資産に対して対して固定資産税・都市計画税が課税されています。細かい説明は省きますが、札幌市であれば土地・建物以外で所有資産の合計額が150万円以上であれば、毎年償却資産税(課税標準額の1.4%)の納付書が送られてきているのではないでしょうか?
今回の措置では売上の減少額の各段階に応じて、その償却資産税と建物にかかる固定資産税の納付額が免状・軽減されます。
売上減少幅に応じた減免率について
減免は2021年度の固定資産税・都市計画税に対して下記の表のように行われます。
2020年2月から10月までの任意の3か月間の 売上高の対前年同期比減少率 |
減免率 |
---|---|
30%以上50%未満 | 2分の1 |
50%以上減少 | 全額 |
申請方法
現段階では不明
内部造作などで1000万円かけている場合、通常ですと14万円ほどの償却資産税が発生しますが、売上高が50%以上減少していると2021年の償却資産税が免除されます。規模は大きくないかもしれませんが、利用しましょう。
納税の猶予
法人税・消費税・固定資産税の納税猶予の特例も発表されています。要件に該当すれば1年間延滞税がかからないため、短期の資金繰り対策として検討してもよさそうです。
適用要件
- 2020年2月以降の1か月の売上が前年同期比概ね20%以上減少していること
- 一時に納税を行うのが困難であること
(半年程度の事業資金を考慮する) - 元々税金の滞納がないこと
対象期間
2020年2月1日から2021年1月31日までに納付期限が到来するほぼ全ての税金
(印紙は対象外とのこと)
申請方法
納付期限(一部例外有り)までに下記書類を提出することになります。
- 申請書(国税庁HPの「猶予申請書」)
- 売上や現預金の状態が分かるもの(恐らく元帳で十分かと)
財務省発表の資料と国税庁発表の資料を参考にしています。ただ財務省のコロナ対策も日々変化しているため、納税猶予についてはまず「国税局猶予相談センター」へ電話相談をしたほうがよさそうです。