課税の繰延に興味のある札幌市内の小規模事業者・小規模法人向けの記事となります。費用を先に計上することによる利益・課税の繰延なので、本質的な節税ではありませんが、正しく利用すれば決算前に費用を大きく計上できることができるため、概要を知っておくといいと思います。

短期前払費用の特例とは

 短期前払費用の特例は法人税基本通達2-2-14により認められた処理で、前払費用として支払った金額のうち、支払った日から1年以内にサービス提供を受ける一定のものについて、支払った事業年度の損金算入を認める内容となります。

適用要件について

 以下の全てを満たす必要があります。

  • 支払日から1年以内にサービス提供を受けていること
  • 一定の契約に基づき受ける定量・定質なサービスであること
  • 継続的に支払時に費用処理していること
  • 決算日までに支払いが完了していること
  • 重要性の観点から収益と対応させる必要があるものでないこと

 税理士へ支払う報酬は、税理士から受けるサービスが定量サービスでないため適用できません。また、今期は継続適応が原則なので、今期は家賃を半年分前払いして損金処理するが、来期は半年分前払いしない、などの利益操作は認められません。一定期間継続する必要があります。

どんなケースで使用できるか

 「地代家賃(事務所・倉庫の家賃)」「保険料」「諸会費」「賃借料」で使用するケースが多いです。
 例えば、6月決算の法人であれば、今後事務所家賃を6月に12か月分前払いすることに契約変更し、実際に6月中に支払うことにより、次の事業年度分の家賃(12か月分)を当期の損金とすることができます。この際注意が必要なのは、あくまでも支払日から1年以内に受けるサービスである必要があるため、5月に13か月分を支払った場合は短期前払費用の特例の対象外となります。

 今回の内容は課税の繰延であって、節税ではありません。本当に経営者が考えるべきなのは節税なので、節税については顧問税理士と綿密に打ち合わせをしましょう。