国の中小企業支援の一環で、中小企業の生産性向上を図るために一定の資産を購入した場合に取得価額の30%の特別償却、又は7%の税額控除を認める措置を中小企業投資促進税制といいます(適用期限は2021年3月31日まで)。例えば500万円の輸送用トラックなどを購入した場合、税額控除であれば最大35万円(500万円×7%)の法人税を少なくすることができます。ただ、残念ながらあまり一般的ではないため、該当資産を購入しても同制度を活用できていないことが少なくないようです。非常に残念なことなので、対象となる会社・対象となる資産等を見ていきたいと思います

対象となる会社

税額控除を受ける場合、次のどちらかを満たす必要があります。

  • 資本金3000万円以下の法人
  • 従業員数1000人以下の個人事業主

この記事の対象者は小規模事業者、小規模法人なので、皆さん当てはまると思います

対象となる資産

対象となる資産は下記となります。ご覧の通り、製造業や運送業等で使用できることが多いです。

  • 1台160万円以上の機械及び装置
  • 1台120万円又は1台30万円かつ合計120万円以上の測定器具及び検査工具
  • 70万円以上のソフトウェア
  • 貨物自動車(車両総重量3.5トン以上)

原則、中古品は対象外となります。以前はデジタル複合機も対象だったのですが、現在は対象外です。デジタル複合機等は「中小企業経営強化税制」でしたら対象になりますし、税額控除も10%です。資産購入の際は、「中小企業投資促進税制」、「中小企業経営強化税制」、「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」の3つのいずれかの対象とならないか検討するのが基本となります。

税額控除と特別償却について

税額控除とは

税額控除を使えば法人税から取得価額の7%を直接控除できます。1000万円のトラックを購入した場合、70万円法人税を少なくすることができます。但し、控除額は法人税額の20%を上限というルールがあるため、元々の法人税が300万円の場合は60万円の控除となります。控除しきれなかった金額は翌年に限り繰越すことができます。
※ちなみに取得価額の1000万円は普通に減価償却できます。

特別償却とは

特別償却を使うと通常の減価償却に特別償却分を上乗せして経費(減価償却費)計上することができます。ですので、1000万円のトラックを購入した場合、300万円分の減価償却費を上乗せすることができます。税額控除と特別償却は選択適用のため、特別償却を使用する場合は税額控除は使用できません。

結局、税額控除と特別償却はどちらがいいの?

税額控除と特別償却でどちらのほうが得かというと、その会社の状況と考え方次第になってしまいます。ただ、特別償却は取得価額の減価償却を早めるだけで、償却期間全体でみると節税には全くなっていません。それに対して、税額控除は減価償却費とは別に税額控除として法人税額を直接減額することができるため、節税になっていると言えます。とすれば、多くの場合、長期間で考えれば税額控除のほうが有利であることが多いと言えそうです。