これから起業される方、会社設立を控えている方、あるいは起業して3年以内の経営者の皆様、日々の業務お疲れ様です。設立間もない起業家サポートに特化した税理士法人アクションです。
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起業直後から数年間は、売上を安定させることが経営における最優先課題となります。しかし、「とにかく売上を作らなければ」という焦りから、本来であれば受けるべきではない仕事まで安請け合いしてしまい、心身ともに疲弊している経営者を私たちは数多く見てきました。
今回は、創業期の経営者が陥りやすい罠を回避し、長期的に安定した経営基盤を築くための「いいお客さん×いいサービス」の好循環サイクルについて、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。
1. はじめに:創業期に陥りがちな「誰でも顧客にする」罠
起業したばかりの時期は、まだ実績も知名度もないため、どうしても「価格の安さ」や「頼まれたら何でもやる(何でも屋)」というスタンスで勝負してしまいがちです。
例えば、独立したてのWebデザイナーが「とにかく実績が欲しいから」と、通常であれば30万円かかる企業ホームページ制作を5万円で受注したとします。顧客側は「安いから」という理由だけで依頼しているため、次々と無茶な仕様変更や追加の要求を出してきます。結果的に1ヶ月間その案件にかかりきりになってしまい、時給換算すると最低賃金を大きく下回る結果に陥ります。売上は立っても利益は全く残らず、次の新規営業をする時間もなく、何より精神的に大きく疲弊してしまいます。
これはWeb制作に限らず、コンサルタント、飲食店、建設業、そして我々のような士業など、あらゆる業種で共通して起こる現象です。「誰にでも売る」というスタンスは、一見すると間口を広げて売上機会を最大化しているようで、実は自社の首を強く絞める行為に他なりません。事業を長続きさせ、生存率を高めるためには、「誰に売るか」「誰と付き合うか」を初期段階で明確に決めることが絶対条件なのです。
※もちろん、まずは実績作りも必要なのでキャンペーン価格を設定すること自体は否定しません。キャンペーン価格なのでアンケートに協力をしてもらい、サービス改善と口コミ評価を獲得し、今後の売上拡大に役立てる方法はとても有効です。問題は、単なる安売り・安請け合いとなります。
2. 経営を安定させる「いいお客さん」と「いいサービス」の定義
では、本記事のテーマである「いいお客さん」と「いいサービス」とは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか。
「いいお客さん」の3つの条件
- 自社の得意領域・提供価値に合致している:自社が提供できる価値を、まさに必要としている顧客です。
- サービスの価値を理解し、適切な対価を支払ってくれる:単なる「安さ」ではなく、サービス品質やスピード、提案力に対して納得して適正価格を支払ってくれる顧客です。
- 相互リスペクトに基づいた信頼関係が築ける:無理難題を押し付けるのではなく、専門家としての意見を尊重し、約束の期日(資料の提出など)を守ってくれる、対等なビジネスパートナーとして接してくれる顧客です。約束を守らない一方で、あなたに対してだけは厳しい納期を設定してくるお客様は信頼関係を築けるお客様とは言えません。
「いいサービス」の2つの条件
- 自社で効率よく提供できる:属人的な努力や長時間の残業に頼るのではなく、仕組み化・マニュアル化されており、再現性高く提供できるサービスです。仕組み化・マニュアル化しているからこそ、ミス・漏れが発生しにくい高品質なサービスを提供することができます。
- 同業他社にはない明確な差別化・強みがある:例えば「他社より納品が圧倒的に早い」「特定の業界に特化しているため専門用語が通じやすい」「IT化に強みがある」など、選ばれる理由が明確なサービスです。
逆に「相性の悪い顧客(過度な値引き要求、クレーマー気質)」に「悪いサービス(自社が不得手で手間ばかりかかる仕事)」を提供してしまうと、リソースが奪われるだけでなく、本当に対応すべき「いいお客さん」に割く時間がなくなってしまいます。
※会社設立時において、どのような事業モデルで誰をターゲットにするかは非常に重要です。会社設立時の疑問点については以下の記事も参考にしてください。
関連記事:会社設立の疑問点|札幌の税理士法人アクション
3. 「いい顧客×いいサービス」を継続することで得られる3つの大きなメリット
この「いいお客さんに、自社が得意な良いサービスを提供する」という当たり前のことを徹底するだけで、経営は劇的に好転します。
① 紹介・口コミによる「広告費ゼロ」の集客サイクルが回る
質の高いサービスを受けて満足した「いいお客さん」は、自身の周りにいる同レベルの「いいお客さん(優秀な経営者仲間や知人)」を自然と紹介してくれます。例えば、「あの会社は安いからいいよ」ではなく、「あそこは少し価格はするけれど、絶対に納期を守るし提案が的確だからおすすめだよ」という質の高い口コミが生まれます。これにより、多額の広告費や営業マンの労力をかけずに、優良顧客が集まる最強の集客サイクルが生まれます。
② 業務効率化が進み、利益率とサービス品質が同時に高まる
ターゲットとサービスを絞り込むことで、「自社がやるべきこと」が明確になります。例えば、BtoBのIT企業向けに特化したサービスを提供し続ければ、その業界特有のノウハウが社内に蓄積され、業務のテンプレート化が進みます。結果として、1件あたりの処理スピードが格段に上がり(効率化)、利益率が向上するとともに、空いた時間でさらにサービスの質を磨くことができます。
③ 健全なキャッシュフローと精神的余裕が生まれる
適正な価格で取引ができれば、無駄な値引き交渉や未回収リスクが激減します。キャッシュフローが安定すれば、「来月の資金繰りや支払いをどうしよう」という不安から解放され、本業の戦略立案や人材採用、新規事業の構想など、経営者として本来やるべき「未来への投資」に時間と頭を使えるようになります。
※創業期のキャッシュフロー安定には創業融資の活用も有効です。融資審査でつまずかないためのポイントはこちらをご覧ください。
関連記事:創業融資NGとなる理由3選(日本政策金融公庫)
4. 実践!起業家が「いい顧客・いいサービス」のサイクルを作る3ステップ
理屈はわかっても、いざ実践するとなると勇気がいるものです。今日から取り組める具体的な3ステップをご紹介します。
Step 1: 「やらないこと(受託しない仕事)」の基準を作る
まずは「どんな仕事なら受けるか」ではなく、「どんな仕事・どんな顧客は絶対に断るか」を明確に言語化しましょう。例えば、「予算○万円以下の案件は受けない」「納期が3日以内の特急案件は、50%の特急料金を頂けない場合はお断りする」「自社の専門外の領域は、無理して受けずに他社を紹介する」といった基準です。目先の売上のために妥協せず、断る勇気を持つことが最初の第一歩です。
Step 2: 適正価格を設定し、価値を伝えるプレゼン力を磨く
安易な値引き要求には決して応じず、なぜその価格になるのか、その価格を支払うことで顧客にどのようなメリット(売上アップ、コスト削減、時間創出など)があるのかをロジカルに説明できるようにしましょう。自社サービスの価値を再定義し、それを伝える提案書や言葉を磨くことが重要です。
Step 3: IT・クラウドを活用した徹底的な仕組み化
サービスを提供するプロセスの中で、自動化・効率化できる部分は徹底的にITツールに任せましょう。クラウドツールを活用してルーティンワークを削減し、浮いた時間を「顧客との対話」や「付加価値の高い提案」といった、人間にしかできない業務に充てるのです。
※ITツールの導入や事業の仕組み化には、各種補助金・助成金を活用できるケースが多くあります。起業時に使える制度情報もぜひチェックしてみてください。
関連記事:創業補助金・助成金 | 札幌で起業・開業に強い税理士法人アクション
5. 士業やパートナー選びも同じ!経営を加速させる「税理士」の選び方
ここまで「自社と顧客」の関係についてお話ししてきましたが、これは経営者である皆様と「外部パートナー(士業など)」との関係にも全く同じことが言えます。
例えば、税理士を「とにかく顧問料が一番安いところ」という基準だけで選んでしまうとどうなるでしょうか。格安の税理士は薄利多売にならざるを得ないため、作業的な過去の数字の処理(記帳代行)しかしてくれません。経営課題に対する積極的な提案や、タイムリーなコミュニケーション、節税のアドバイスなどは期待できないでしょう。
起業初期から中長期的な成長を目指す経営者に本当に必要なのは、「単なる過去の作業代行屋」ではなく、「共に経営課題を解決し、価値創造に集中させてくれる伴走型のパートナー」です。
私たち税理士法人アクションは、まさに皆様にとっての「いいサービス」を提供する「いいパートナー」でありたいと考えています。クラウド会計(マネーフォワード、freeeなど)を活用した経理の自動化・効率化支援はもちろん、創業融資の獲得サポート、適正な値決めや財務戦略に関するアドバイスなど、起業家の皆様が本業にフルコミットできる環境づくりを全力でサポートいたします。
※創業融資に関する疑問や不安がある方は、まずは以下の記事で基礎知識をご確認ください。
関連記事:創業融資の不明点まとめ|札幌の税理士法人アクション
6. まとめ&無料相談のご案内
起業3年以内の生存率を高め、安定した成長を遂げるための秘訣は「誰にでも売る」スタンスを捨て、「いいお客さんに、いいサービスを提供し続けること」に尽きます。自社の強みを活かせるターゲットを絞り込み、適正価格で高品質なサービスを提供することで、自然と紹介が生まれ、利益率も高まっていきます。
最初は案件を断ることに勇気がいるかもしれませんが、「やらないこと」を決めることこそが、攻めの経営の第一歩です。
私たち税理士法人アクションでは、創業期のバックオフィス効率化や資金調達、財務戦略に関するご相談を随時受け付けております。「自社の価格設定はこれでいいのか?」「クラウド会計を導入して業務を仕組み化したい」「創業融資を確実に引き出したい」など、どんな些細なことでも構いません。皆様のビジネスをさらに飛躍させるための壁打ち相手として、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせや詳細なサポート内容については、ぜひ税理士法人アクションのトップページからご確認ください。
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