札幌で創業融資を受けるには?初心者がまず押さえるべき3つのポイント

こんにちは、札幌の税理士です。
これから札幌で起業や会社設立を考えている方にとって、最初の大きなハードルが「資金調達」ではないでしょうか。
特に初めての起業では、自己資金だけでは足りず、創業融資をどう活用できるかが成功の分かれ目になります。

「融資って難しそう…」「何から始めればいいのか分からない」
そんな方でも大丈夫です。
この記事では、札幌で創業融資を受けるために初心者がまず押さえるべき3つのポイントを、専門家の視点からわかりやすく解説します。


1. 創業融資には「日本政策金融公庫」と「札幌市の制度融資」がある

札幌で創業融資を検討する場合、まず理解しておきたいのがどの金融機関から融資を受けるかという点です。
創業期に利用しやすいのは、次の2つのルートです。

  • 日本政策金融公庫(国の融資)
  • 札幌市の制度融資(地方自治体+金融機関の連携)

① 日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫(略して「公庫」)は、創業者にとって最も利用しやすい融資機関です。
特におすすめなのが「新創業融資制度」で、無担保・無保証人で最大3,000万円まで融資が可能です。
創業前でも申請でき、審査の柔軟性も比較的高いのが特徴です。

また、札幌では「公庫札幌支店(中央区)」をはじめ、市内に相談窓口が複数あり、創業支援セミナーも開催されています。
提出書類や面談準備を整えれば、初めての方でも十分に通過可能です。
※1000万円以上の融資は支店決済で通らないため難易度がぐっと上がります。

② 札幌市の制度融資

もう一つの選択肢が、札幌市が地元金融機関と連携して行う制度融資です。
たとえば「札幌市中小企業融資制度(創業・新分野進出資金)」では、市が利子の一部を補助し、金融機関と保証協会が連携して融資を行います。
札幌市民であれば利用しやすく、信用保証協会を通すことで比較的安定した金利で借りることができます。

ただし、制度融資は審査や保証料の負担が発生するため、日本政策金融公庫との併用も検討するとよいでしょう。


2. 審査で重視されるのは「自己資金」「経験」「事業計画書」

次に重要なのは、融資審査で何を見られるかを理解することです。
創業融資の審査で特に重視されるのは、以下の3点です。

  • ① 自己資金(どれだけ準備しているか)
  • ② 経験・スキル(起業分野に関する実績)
  • ③ 事業計画書の内容(収支予測や市場分析)

① 自己資金の割合

融資では「自己資金」が非常に重視されます。
自己資金が多いほど、銀行は「返済能力が高い」「本気度が高い」と判断します。
目安としては、創業に必要な資金の3割程度は自己資金で用意するのが理想です。

たとえば開業資金が600万円なら、自己資金は200万円前後あると信頼度が高まります。
貯金だけでなく、親族からの贈与や積立実績も自己資金として認められる場合があります。

もちろん、起業分野における実績や売上確度が高いことが証明できれば自己資金は10%程度でも創業融資は通ります。ただ、初めての起業でそこまでの実績を証明するのは中々難しいものがあるかもしれません。

② 経験・スキル

融資担当者は「この人が事業を続けられるか」を見ています。
同業種での勤務経験や専門スキル、過去の実績があると評価は大きく上がります。
逆に全く未経験の業種の場合は、サポートを受けながら慎重に進める姿勢を示すことが大切です。

極端な話、例えば既にその分野でのフォロワー数が数十万人を超えるようなインフルエンサーであれば、自己資金がほとんどなくても創業融資を受けられることができるということです。

③ 事業計画書の完成度

事業計画書は、創業融資の「命」といえる書類です。
数字だけでなく、なぜこのビジネスをやるのか、誰にどんな価値を提供するのかを具体的に説明できるかが鍵です。
札幌の市場特性や競合状況を踏まえた分析が入っていると、説得力が格段に上がります。

たとえば、
「札幌駅周辺のカフェ需要」「円山・大通など地域特性」「冬季の来店数変動」など、地域性を踏まえたデータを盛り込むことで、担当者の印象は大きく変わります。

その上で、何といっても重要なのは事業計画に記載される売上金額とその実現性についてです。貸す側としては、売上さえ一定額以上あれば返済には困らないだろうと判断するからです。


3. 札幌で創業融資をスムーズに通すための3つのコツ

ここでは、実際に札幌で創業融資を申請する際に意識したいポイントを紹介します。
小さな違いが、審査の通過率を大きく左右します。

① 税理士・専門家に相談する

創業融資の最大の落とし穴は「独学で申請してしまう」ことです。
札幌には創業支援に強い税理士や行政書士が多く、面談対策・書類作成・数字の裏付けまでサポートしてもらえます。
初回相談が無料の専門家も多いため、まずは相談してみるのが得策です。

② 事業計画書を“見やすく”整える

融資担当者は毎日何件も書類を見ています。
グラフや表を使い、読みやすく整理された事業計画書は印象が良く、理解も早いです。
また、数字だけでなく「ストーリー(想い)」が伝わる文章があると強いです。

③ 開業後の資金繰り計画を示す

創業融資は「スタートライン」にすぎません。
審査では「融資後3か月の運転資金」「売上が安定するまでのシミュレーション」も重視されます。
札幌の季節変動や業界特性を踏まえ、キャッシュフロー表を用意しておくと安心です。


創業融資後のサポートも重要

無事に融資が決まっても、それで終わりではありません。
開業後に資金繰りが苦しくなるケースは少なくありません。
そのため、税理士など専門家と継続的に関わり、月次の会計管理・経営分析・次の融資や補助金申請につなげることが大切です。

札幌では「札幌商工会議所」「北海道よろず支援拠点」「札幌市創業支援センター」など、無料で相談できる公的機関も充実しています。
資金繰りや補助金情報を定期的にチェックし、早めの行動を心がけましょう。


まとめ:札幌で創業融資を成功させる3つのポイント

最後に、今回の内容を振り返ります。

  1. 日本政策金融公庫・札幌市制度融資を理解して選択する
  2. 自己資金・経験・事業計画書の3点をしっかり準備する
  3. 専門家に相談し、地域特性を踏まえた計画を立てる

この3つを押さえておけば、創業融資の成功率は格段に上がります。
「融資のハードルは高い」と感じる方も多いですが、正しい準備をすればチャンスは必ずあります。

札幌での起業を検討している方は、早めに相談・行動を始めることで、資金計画に余裕を持ってスタートできます。
関口達也税理士事務所では、札幌での創業融資や法人設立、補助金申請サポートも行っています。
創業初期の不安を一緒に解決し、安心して事業をスタートさせましょう。

▶ ご相談はこちら:
関口達也税理士事務所(札幌)公式サイト
札幌の創業融資支援(関口達也税理士事務所