日本政策金融公庫と保証協会での創業融資の比較~札幌の税理士~

札幌で起業・開業を目指す際、資金調達の二大巨頭となるのが「日本政策金融公庫」と「信用保証協会(自治体の制度融資)」による創業融資です。

これから起業する方に結論から申し上げると、「審査のハードルは保証協会のほうがやや低く、融資が下りるまでのスピードは公庫のほうが早く、実質負担は公庫のほうが少なくなることが多い(保証協会の場合、保証料が発生するため)」という傾向があります。

それぞれ一長一短があるため、下記の詳細な比較を参照しつつ、ご自身にあった融資を選択してください。ご自身の信用力や自己資金に自信のある方は「公庫」をメインに、少し不安がある方やより確実性を高めたい方は「公庫と保証協会の両方に申し込む(協調融資を狙う)」というケースも多く見られます。

なお、札幌市などの各自治体で「特定創業支援等事業」の支援を受けると、利率や保証料が優遇されるため、開業までに時間のある方はぜひ利用を検討しましょう。

日本政策金融公庫と信用保証協会の創業融資 比較表

※2024年4月以降の最新制度(新創業融資制度の統合など)に対応した比較表です。

比較項目日本政策金融公庫
(新規開業資金など)
信用保証協会
(自治体の制度融資など)
自己資金要件要件なし(撤廃)
※制度上の要件はなくなりましたが、審査を通すためには実質的に創業資金総額の1〜2割程度の自己資金が求められます。
自己資金についての定めなし
※自治体の制度により一部異なる場合があります。
借りやすさ
(審査の傾向)
自己資金とその蓄積過程、代表の経歴、創業計画書により厳格に判断。コツコツ貯金をしていない、未経験業界の場合は審査が厳しくなります。公庫と同様の判断基準ですが、公庫の審査に落ちた方が保証協会では通ったというケースも多数。公庫よりはやや柔軟な傾向があります。
※自治体窓口の支援を受けるとさらに通りやすくなります。
借入スピード早い(申し込みから約1か月程度)遅め(申し込みから約1か月半〜2か月程度)
※金融機関と保証協会の2つの審査があるため。
融資上限額7,200万円
(うち運転資金4,800万円)
3,500万円
(創業関連保証の場合)
返済期間設備資金:20年以内
運転資金:10年以内
設備・運転資金:10年以内
※自治体の制度により異なる
返済据置期間5年以内1年以内(制度による)
利率(金利)年利1〜2%台
※特定創業支援等事業の支援を受けた場合、さらに引き下げ(特別利率)あり。
年利1〜2%台
※自治体による利子補給(利息負担の軽減)がある場合あり。
信用保証料不要必要(年利1%前後の保証料を借入時に一括、または分割で支払い)
担保・保証人原則不要(無担保・無保証)原則不要(無担保)
※法人代表者の連帯保証も、現在は原則不要となる制度(スタートアップ創出促進保証など)が拡充されています。

【札幌市】特定創業支援等事業による支援とは?

各自治体では、創業支援を目的に専門家(主に中小企業診断士など)が創業計画書の作成をアドバイスしてくれる制度を設けています。これを「特定創業支援等事業」と呼びます。
札幌市では、「さっぽろ創業支援プラザ」や「札幌商工会議所」などでこのサービスを受けられます。利用をご検討される方は、まずは電話相談されることをおすすめします。

支援を受けるメリット

起業までに1〜2か月程度の猶予がある場合は、以下の強力なメリットがあるため受講を強く推奨します。

  • 専門家(中小企業診断士等)の無料アドバイスが受けられ、計画書の質が上がる
  • 会社設立時の登録免許税が半額になる
    (例:株式会社の設立登記にかかる登録免許税が最低15万円から7.5万円へ減額)
  • 日本政策金融公庫の貸付利率(金利)引き下げの特例が受けられる
  • 信用保証協会の創業関連保証の枠が拡充され、特例が受けられる
  • 創業融資の審査そのものが通りやすくなる
  • 小規模事業者持続化補助金(創業枠)の申請が可能になり、補助上限額が最大200万円などに引き上げられる

支援を受けるデメリット

基本的には「時間と手間がかかる」という点のみです。

  • 原則として1か月以上の期間をかけ、4回以上の個別面談(またはセミナー受講)を受ける必要がある
  • 支援の証明書を発行してもらうまでに時間がかかるため、融資実行まで最低でも2か月程度かかってしまう
  • 担当する相談員(専門家)を自分では選べないことが多い

融資実行までの具体的な流れ

公庫(日本政策金融公庫)の融資実行までの流れ

  1. 創業計画書の作成:公庫指定フォーマットの「創業計画書」を作成します。
  2. 申し込み:公庫HPからのインターネット申込、または郵送・窓口で申し込みます。
    ※法人の履歴事項全部証明書(謄本)、創業計画書、通帳のコピー、(設備投資の場合)見積書などが必要です。
  3. 担当者との面談:公庫の支店にて、事業計画や自己資金について面談が行われます。
  4. 融資実行:審査通過後、契約書類を返送すると指定口座に入金されます。

ご覧頂ければ分かりますが、提出する計画書のボリュームは公庫の方が制度融資よりも比較的少なくなっています。また、融資実行までの期間も公庫が大体1か月程度とスピーディーです。

制度融資(信用保証協会)実行までの流れ

  1. 創業計画書の作成札幌中小企業支援センターなどの指定フォーマットで作成します。
  2. 金融機関窓口での申し込み:任意の金融機関(銀行や信用金庫)の窓口で申し込みます。
    ※この際、特定創業支援等事業による支援(証明書)を受けている旨を伝えます。
  3. 面談と審査:金融機関の担当者との面談に加え、保証協会の担当者や支援センターの相談員との面談が複数回行われる場合があります。
  4. 融資実行:金融機関と保証協会の双方の審査に通過後、融資が実行されます。

制度融資の場合、自治体や保証協会が求める「創業計画書」のボリュームが多く、作成のハードルが高くなっています。

創業融資の作成に自信がない方は、札幌の税理士へご相談を

創業融資は、公庫であれ保証協会であれ「最初の1回目の申請」が最も重要です。一度審査に落ちてしまうと、半年〜1年以上は再申し込みが非常に困難になります。

「自己資金が少し足りないかもしれない」「事業計画書の書き方が分からない」「早く確実に資金を調達したい」とお悩みの方は、融資支援の専門家である税理士にご相談ください。
当事務所(※ここに貴所の屋号等を記載)では、札幌市周辺での創業融資(公庫・制度融資ともに)の申請を強力にサポートしております。

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